この低いよく通る馴染みのある声は……、
「あれー、朔ちゃんだぁ。どうしてここに?」
フラフラと朔ちゃんの元に歩き出す。
もうこの時間はバーは営業しているはず。
朔ちゃんは黒のシャツに細身のジーパン、胸には有名ブランドのネックレスがキラリと光っている。
手には紙袋を持っていた。
今日も朔ちゃんはイケメンだなぁ。
「俺はこれの買い出し」
持っていた袋を空いていた右手で指差す。
近寄って覗いてみるとオレンジなどの果物の他にタバコとか入ってる。
「で、お前はなにしてんの?飲み会か……。その真っ赤な顔はまた飲み過ぎたんじゃないのか?」
居酒屋の方に視線を向けた後、眉間にシワを寄せる。
「そんなことないよー」
ヘラヘラしてるあたしを見て呆れたように朔ちゃんは盛大なため息をつく。
「ちょっと、柚音。このイケメンは誰なのよ」
あたしの服を引っ張り遥が耳元で囁いた。



