しばらくすると、紅璃先輩と橋本先輩、男子たちもやって来た。

うわー・・・マジでみんな来るの?

昨日のことだけに少し気まずい・・・


また足音がした。

次は誰が来たのかな?

そう思って足音がした方を見た。



永井くんだった・・・

なんとなく気分が下がる。


「よしっ!みんな揃ったみたいだね。まあ、今日はテキトーに遊ぶんだけど、最初に永井!みんなに言うことがあるだろ?」

紅璃先輩が喋り終わると、みんなの視線が永井くんに集まる。


永井くんは最初は戸惑っていたが、何かを決心したように喋りだした。

「みんな、本当にごめんなさい!!」

永井くんは深々と頭を下げた。

「俺、あんなこと言われてすごく腹が立って・・・みんなに迷惑がかかることくらい考えてみれば分かるのにね。   俺、陸上部辞める。」

えっっ !!辞めるの?

そのとき、

「待ってよ!!何で辞めるの?みんなに迷惑掛けといて辞めるなんて卑怯じゃない!?私、永井くんって強い人だと思ってた。なのに、すぐに逃げる弱い人だったんだね。見損なった。」

いつもはあんなにヘラヘラしている成柚が・・・キレてる・・・

「成柚、落ち着いて。」

紅璃先輩が落ち着き払った声で言った。

「でも、永井。成柚の言う通りだよ。あなたには実力もある。人気もある。人望もある。根性もあるでしょ?だから逃げないで。」

紅璃先輩が言う。

そうだよ。永井くん、あなたには、いろんな実力がある。いろんな可能性がある。だから辞めちゃダメだよ。

「そうだな。退部は認められねーな。なっ?長瀬も基咲も長政もそう思うよな?」

橋本先輩の問いに私達は何の迷いもなく頷いた。

「ほらな。だから、永井、辞めちゃダメだぞ。」

「みんな、ありがとう・・・先輩もありがとうございます。」

「よしっっ!じゃあ退部は無しということで♪ところで、今日はどこで遊ぶー?」

紅璃先輩の声にみんな考え込む。

「俺、走りたいでーす!!」

橋本先輩が言った。

「じゃあ、学校行ってさ、グランド借りて走ろうよ!!」
学校で走りながら、空兼は思った・・・

ずっとこのメンバーで走り続けたい・・・