「あの・・・今1人、レースに出てるんですが・・・」
私は成柚のことが心配で聞いた。
「では、今からアナウンスをかけて、そのレースに出ている方も本部テントへ来てもらいます。その方の名前を教えて下さい。」
「1年の滝部成柚です・・・」
「わかりました。では、本部テントへ行ってください。」
私たちは顧問と一緒に本部テントへ向かった。走る前とは違う緊張感が走った。
だいたい言われる事は予想がつく。試合出場停止だろう。
本部テントに着くと係の人がいて、椅子に顧問、永井くん、橋本先輩、紅璃先輩、長瀬くん、基咲くん、私の順に座った。
「こういうことになった経緯を教えて下さい。」
係の人が訪ねて顧問が説明する。
そこに走って来たのか、息を弾ませた、成柚が来て、私の隣に座った。
「では少し待っていてください。」
そう言い残して、係の人はどこかへ行った。
みんな口を閉じたままだった。
しばらくして係の人が帰ってきた。
「残念ですが、試合出場停止に決まりました。出場が許可されるのは3カ月後の大会からです。これから3カ月間は試合はもちろん、練習試合も禁止です。今日の試合も直ちに御帰り下さい。では。」
とぼとぼと観客席に戻り、非難の目線を浴びながら私たちは荷物をまとめる。
何も考えられなかった。スクールバスに乗って、座った瞬間、涙が溢れてきた。
予想はしてた・・・予想はしてたけど、3カ月も試合出場停止なんて・・・
あれは、中学に入学する前、陸上部に入ると約束した、成柚と中学校は離れちゃった、南月(なつき)と私で交わした約束・・・「12月の駅伝で絶対会って、勝負しようね」
今は11月。だから12月の駅伝には出ることができない。南月は先月、最愛の祖母を事故で亡くした。それから南月はずっと泣いて、びっくりするくらい弱気になった。南月のお母さんは「今度の駅伝、南月も出さすから、会ってやってね。」と言ってくれた。
なのに・・・なのに・・・何で・・・?さらに涙が溢れてくる。成柚が座ってるはずの、後ろの席からも泣き声が聞こえてきた。成柚も辛いよね・・・私の目からは大量の涙が出てきた。あの男に対する怒りと、正直、永井くんに対する怒りもあるよ。でもあの時のあの男に対する永井くんの怒りの方がすごかったと思う。でも何で・・・?
色々な感情が入り混じって訳わかんない。
学校に着いて、バスを降りても帰る気になれず、成柚に「先に帰ってて」と言って、しばらく校舎のうらにしゃがみこんで、ぼーっとしてた。
あ、ヤバッ!!もう帰らなきゃ!!
私は成柚のことが心配で聞いた。
「では、今からアナウンスをかけて、そのレースに出ている方も本部テントへ来てもらいます。その方の名前を教えて下さい。」
「1年の滝部成柚です・・・」
「わかりました。では、本部テントへ行ってください。」
私たちは顧問と一緒に本部テントへ向かった。走る前とは違う緊張感が走った。
だいたい言われる事は予想がつく。試合出場停止だろう。
本部テントに着くと係の人がいて、椅子に顧問、永井くん、橋本先輩、紅璃先輩、長瀬くん、基咲くん、私の順に座った。
「こういうことになった経緯を教えて下さい。」
係の人が訪ねて顧問が説明する。
そこに走って来たのか、息を弾ませた、成柚が来て、私の隣に座った。
「では少し待っていてください。」
そう言い残して、係の人はどこかへ行った。
みんな口を閉じたままだった。
しばらくして係の人が帰ってきた。
「残念ですが、試合出場停止に決まりました。出場が許可されるのは3カ月後の大会からです。これから3カ月間は試合はもちろん、練習試合も禁止です。今日の試合も直ちに御帰り下さい。では。」
とぼとぼと観客席に戻り、非難の目線を浴びながら私たちは荷物をまとめる。
何も考えられなかった。スクールバスに乗って、座った瞬間、涙が溢れてきた。
予想はしてた・・・予想はしてたけど、3カ月も試合出場停止なんて・・・
あれは、中学に入学する前、陸上部に入ると約束した、成柚と中学校は離れちゃった、南月(なつき)と私で交わした約束・・・「12月の駅伝で絶対会って、勝負しようね」
今は11月。だから12月の駅伝には出ることができない。南月は先月、最愛の祖母を事故で亡くした。それから南月はずっと泣いて、びっくりするくらい弱気になった。南月のお母さんは「今度の駅伝、南月も出さすから、会ってやってね。」と言ってくれた。
なのに・・・なのに・・・何で・・・?さらに涙が溢れてくる。成柚が座ってるはずの、後ろの席からも泣き声が聞こえてきた。成柚も辛いよね・・・私の目からは大量の涙が出てきた。あの男に対する怒りと、正直、永井くんに対する怒りもあるよ。でもあの時のあの男に対する永井くんの怒りの方がすごかったと思う。でも何で・・・?
色々な感情が入り混じって訳わかんない。
学校に着いて、バスを降りても帰る気になれず、成柚に「先に帰ってて」と言って、しばらく校舎のうらにしゃがみこんで、ぼーっとしてた。
あ、ヤバッ!!もう帰らなきゃ!!


