スクールバスで会場に向かった。会場はすでに人がたくさん来ていた。
まだあのドキドキが続いている。ダメダメ。今日は走ることに専念しなくちゃ。
今日のプログラムは、最初に100メートル走が男子、女子の順番であって、その次に800メートル走の男子、女子で、その次に3000メートルの男子、女子、最後に閉会式がある。
<男子、100メートル走出場者を紹介します。>
<・・・くん2年、・・・・中学校>
<橋本一泉くん2年、秋ヶ丘中学校>
<・・・くん3年、・・・・中学校>
<・・・・くん1年、・・・・中学校>
<・・・・・くん1年、・・・中学校>
<位置について、よーい・・・バン!!>
橋本先輩を含むランナーたちが一斉に走り出すとともに観客席から大きな歓声が聞こえる。
先輩、頑張って!!
ゴール!!
先輩は惜しくも2位。
<男子、100メートル走2走目の出場者を紹介します。>
安心している間も無く、2走目のアナウンスが始まった。永井くんが出るハズ。
<・・・・・くん3年、・・・中学校>
<・・・・くん1年、・・・・中学校>
<・・・くん3年、・・・・中学校>
<永井空野くん1年、秋ヶ丘中学校>
<・・・・くん2年、・・・中学校>
<位置について、よーい・・・バン!!>
永井くんもピストルの音と同時に他のランナーとともに走り出す。ファイト・・・もう少し! ゴール!!3位か・・・永井くんは誰よりも一生懸命練習してたから、ちょっと残念・・・しばらくして橋本先輩と永井くんが帰ってきた。永井くんは泣いていた。初めて見た、男の子の泣き顔。その泣き顔からは悔しさが、ひしひしと伝わってくる。不意に他の学校の人の声が聞こえた。
「お前、練習来てないくせに、1位になれるなんて、一緒に走ったランナーはみんな遅いヤツだったんだな。」
「そうだな。一緒に走ったヤツらは確かに遅かったよ。」
その1位を獲った男、永井くんと一緒に走った人だった。
私たちは全員固まった。さっきの会話・・・声が大きかったから、永井くんにも聞こえちゃったよね・・・
バン!!!
大きな、鈍い音がした。永井くんの方から・・・
みんなの視線が永井くんに集まる。私も永井くんを見た。
信じたくない・・・いや、信じられない光景だった。
永井くんがさっきの男を殴ってた・・・
慌てて、さっき1位を獲った男と話していた男と、橋本先輩がまだ殴り続けている永井くんを止めに入る。
「お前なんかに一生懸命練習して、一生懸命走ったけど成果が出なかった時の気持ちが分かんのか!?」
「は、離せっ!」
「何でお前みたいな奴にバカにされなきゃならねえんだよ!!」
「やめろ、空野!!部活停止になるぞ!!」
橋本先輩が止めさせた。永井くんは息が上がっている。。
「何があったんだ?」
帰ってきた顧問が永井くんと橋本先輩を見て言った。
次に顧問の目には殴られたあの男が目に入ったようで、やっと状況が呑み込めたようだった。
「お前がやったのか・・・?」
顧問が恐る恐る永井くんに聞く。
橋本先輩が答えられない永井くんに代わって答える。
「はい。コイツ、100メートル走で成果が出なくて落ち込んでたところに、、、、」
「なんてことを・・・とりあえずこの少年を救護室へ運ぼう。」
橋本先輩の説明を聞き終えた顧問が言った。
その時、女子100メートル走出場者の集合を知らせるアナウンスが鳴った。
「成柚、先生も来たし、ここは大丈夫だから、集合場所へ行って。安心して走ってきてね。」
私は隣で硬直したままの成柚に声をかけた。
「うん。じゃあ私、走ってくるね。」
いつになく、元気の無い声で成柚が答えて、観客席を出て行った。
ちょうど、成柚と入れ違いになるように、知らせを聞いた、大会主催者側の役員がやって来た。
「見たところ、軽傷ですね。念のため救護室へ運びます。秋ヶ丘中学校の皆さんを含む当事者の方々は顧問の先生と一緒に本部テントへ来てください。」
まだあのドキドキが続いている。ダメダメ。今日は走ることに専念しなくちゃ。
今日のプログラムは、最初に100メートル走が男子、女子の順番であって、その次に800メートル走の男子、女子で、その次に3000メートルの男子、女子、最後に閉会式がある。
<男子、100メートル走出場者を紹介します。>
<・・・くん2年、・・・・中学校>
<橋本一泉くん2年、秋ヶ丘中学校>
<・・・くん3年、・・・・中学校>
<・・・・くん1年、・・・・中学校>
<・・・・・くん1年、・・・中学校>
<位置について、よーい・・・バン!!>
橋本先輩を含むランナーたちが一斉に走り出すとともに観客席から大きな歓声が聞こえる。
先輩、頑張って!!
ゴール!!
先輩は惜しくも2位。
<男子、100メートル走2走目の出場者を紹介します。>
安心している間も無く、2走目のアナウンスが始まった。永井くんが出るハズ。
<・・・・・くん3年、・・・中学校>
<・・・・くん1年、・・・・中学校>
<・・・くん3年、・・・・中学校>
<永井空野くん1年、秋ヶ丘中学校>
<・・・・くん2年、・・・中学校>
<位置について、よーい・・・バン!!>
永井くんもピストルの音と同時に他のランナーとともに走り出す。ファイト・・・もう少し! ゴール!!3位か・・・永井くんは誰よりも一生懸命練習してたから、ちょっと残念・・・しばらくして橋本先輩と永井くんが帰ってきた。永井くんは泣いていた。初めて見た、男の子の泣き顔。その泣き顔からは悔しさが、ひしひしと伝わってくる。不意に他の学校の人の声が聞こえた。
「お前、練習来てないくせに、1位になれるなんて、一緒に走ったランナーはみんな遅いヤツだったんだな。」
「そうだな。一緒に走ったヤツらは確かに遅かったよ。」
その1位を獲った男、永井くんと一緒に走った人だった。
私たちは全員固まった。さっきの会話・・・声が大きかったから、永井くんにも聞こえちゃったよね・・・
バン!!!
大きな、鈍い音がした。永井くんの方から・・・
みんなの視線が永井くんに集まる。私も永井くんを見た。
信じたくない・・・いや、信じられない光景だった。
永井くんがさっきの男を殴ってた・・・
慌てて、さっき1位を獲った男と話していた男と、橋本先輩がまだ殴り続けている永井くんを止めに入る。
「お前なんかに一生懸命練習して、一生懸命走ったけど成果が出なかった時の気持ちが分かんのか!?」
「は、離せっ!」
「何でお前みたいな奴にバカにされなきゃならねえんだよ!!」
「やめろ、空野!!部活停止になるぞ!!」
橋本先輩が止めさせた。永井くんは息が上がっている。。
「何があったんだ?」
帰ってきた顧問が永井くんと橋本先輩を見て言った。
次に顧問の目には殴られたあの男が目に入ったようで、やっと状況が呑み込めたようだった。
「お前がやったのか・・・?」
顧問が恐る恐る永井くんに聞く。
橋本先輩が答えられない永井くんに代わって答える。
「はい。コイツ、100メートル走で成果が出なくて落ち込んでたところに、、、、」
「なんてことを・・・とりあえずこの少年を救護室へ運ぼう。」
橋本先輩の説明を聞き終えた顧問が言った。
その時、女子100メートル走出場者の集合を知らせるアナウンスが鳴った。
「成柚、先生も来たし、ここは大丈夫だから、集合場所へ行って。安心して走ってきてね。」
私は隣で硬直したままの成柚に声をかけた。
「うん。じゃあ私、走ってくるね。」
いつになく、元気の無い声で成柚が答えて、観客席を出て行った。
ちょうど、成柚と入れ違いになるように、知らせを聞いた、大会主催者側の役員がやって来た。
「見たところ、軽傷ですね。念のため救護室へ運びます。秋ヶ丘中学校の皆さんを含む当事者の方々は顧問の先生と一緒に本部テントへ来てください。」


