はあぁぁーーー疲れた。いろんな意味で。部活も疲れたけど、部活中も陸上に集中出来なくて疲れた。

何なの。私に何があったの?何で集中できないの?何で基咲がいっつも視界にいるの?

そんなことを考えていると、着替えた後に教室に荷物を取りに行っていた成柚がやって来た。

並んで一緒に歩き出す。

よしっ成柚に相談してみよ。こんなときは成柚に限るね。

「ねえねえ、成柚。」

「んー?何?」

「最近私がボーっとしてる、って言ってたじゃん?」

「うん。」

「何でだと思うー?」

「えっっ!?空兼、もしかして気づいてないの!?」

「は?何に?」

「じゃあ、言うけどね。あんた、はっきり言って、基咲が好きなんでしょ?」

「は!?えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?な、何で?」

想像はしてた。でもさ、やっぱハッキリ言われたらビックリするじゃん。

「だって、空兼、いっつも基咲の方ばっかり見てるじゃん。」

「そ、そう?」

「うん。まさか気づいてなかったとはねー。さすがのウチもビビったわあ。」

えー・・・私が基咲のことが好き・・・?

あれだけ男に興味が無かった私が?

えっ・・・ってことは、この気持ちが「恋」なの?

でも、基咲は・・・成柚が好き・・・