東病院。

自動ドアをぬけると南月のお姉さんの南陽さん(みなひさん)が待ってくれていた。

「こんにちは。空兼ちゃん、おばさん。今日はありがとうございます。」

「いいえ・・・」

「じゃあ、南月の所へ案内しますね。」

連れて行かれたのは集中治療室。

ガラス張りの部屋を、今にも涙がこぼれそうな瞳で覗き込んでいるのは、南月のお母さんだ。

私も恐る恐る、ガラス張りの部屋を覗いた。

中には、身体を色々な機械に繋がれた南月が静かに眠っていた。

私は見ていられなかった。痛々しい、南月の姿を。

私は病室から出た。廊下を走った。

夜遅く、誰もいない待合室の椅子に腰かけた。

今日の夕方。私の家に1本の電話が入った。

その電話をとったのは、母さんだ。その直後、母さんが私の部屋のドアを開けた。

電話の内容を聞かされた。南月が自殺を図った、と。

は・・・?1回言われただけでは理解できなかった。