「吾妻さん!」 威勢のいい声で私を呼ぶおばさん看護士。 ″アスマ″じゃなくて″アヅマ″だってば… いつものことだから諦めて返事をすると、一年数ヶ月ぶりに建て付けの悪いドアを潜った。 「お願いしますー」 綺麗に整えられた口髭のおじいちゃん先生歩みよると、先生は何とも嬉しそうな笑みを浮かべて+と浮かび上がった検査薬を私に見せた。