すずは俺のことを家族みたいとしか思っていない。 『こーちゃんっっっ、ひっく、ゆうくん、すずよりあかりちゃんのが好きなんだって~、っ』 恋多きすずは、幼稚園のときから、恋愛相談も悩みも嫌なことがあったら、全部俺のとこに駆け寄ってきて。 泣いてすっきりしたら、えへへ、と笑って、 『すず、こーちゃんだーいすき』 と言ってくれた。 でもすずにとって俺が恋愛対象に入ることはなかった。