「ん」 あたしの傘を差し出される。 「どーも」 「…」 「…じゃ。」 傘を受け取ると くるりと回れ右をする。 …周りの視線から解放されたい一心で。 視線痛いよー、泣 「おい」 「ぇ、あ、はいっ?」 いきなり声がして 体がビクッと震えた。 もう…心臓に悪い← まだ何かっ…? 「…何驚いてんだよ」 「急に声かけないでよ」 早く席戻りたいのですよーっ 「変なやつ」 そう言うと、 北見…くんは あたしの頭に 手をぽんっ、と置いて 「ありがとな」 廊下を去っていった。