去り際も鮮やかに走り去る車を見送る。

「加代ちゃんは坂田金時の転生のようね。色々説明もしてあげなきゃいけないようだし。」
「奈都は何を聞きたいんだ?」
「熊五郎だけど二年前に産まれたのよね?それじゃ今は二歳でしょ?なのに小柄な加代ちゃんが抱ける大きさなのも不思議だし、何処で出会ったのかも気になるし。仲間になるんだし色々知っておきたいじゃない?」
「体は小さいが、良い子のようだ。躾の良いご家庭のようだしな。」
「もう少し子供らしくても良いと思うわ。」
「子供を戦いに巻き込むと思うと罪悪感があるんだろ?だが、しっかりしてなければ戦いについてこれない。それなら同等に扱うのが筋だと思うがな。」

非現実な事でも認めてしまえば先を見据えて動く。迷っていてはかえって周囲を巻き込む。

「頼子には女性らしさも必要だと思うわ…」
「そうか?私はこのままで良い。奈都は私と共に戦うだろ?それには更に仲間が必要らしい。信じてやるしかない。」

遠くでチャイムの鳴る音がする。

「マズイ!急ぐぞ、奈都!」

頼子は先に走り出していた。勿論、奈都が直ぐに追い付いてくると考えて。