イキイキしているユウヤの方がらしさでいっぱいだ。

「人は見た目だけで判断していたら損をする。」

心の目が大事だとどこかで誰かが言ってた。

物事の本質はいつも奥底に眠っている。

その本質に気付かずに過ごすことは

結局何も分かろうとしなかったことにある。

「だから、あたしは知ることが好きだ。

人のあれこれもそうだが、勉強することも

こうやって話しているだけでちゃんと伝わる。

ユウヤのことを少しでも多く知れる。」

「ひ、ヒヨリンッ」

顔を両手で覆うユウヤに何があったのか!

も、もしかして、あたし何かマズイこと言った!?

「どうしてそう真っ直ぐなんだよ。俺は逃げて

ばっか居るのに。」

一番星のきらめきを眺めながら答えた。

「あたしはお星さまのように輝ける人に

ならないといけないんだ。逃げたって、

いいんだよ。それでも、いつか必ず向き合わなきゃ

行けない日が来るからその時までに強くなろうと

努力すれば結果オーライなんだ!」

ぶち当たる壁から逃げることは出来ない。

いつか、必ず超えなきゃいけない。

「ヒヨリン、変なことしないから少しだけ許してくれ。」

「ゆ、ユウヤにしては珍しい心意気ではないか!」

こてんっと肩に重みが加わった。

「俺が初めてここに来た時稜さんが親父になるって

言ってくれたことあってさ、その時俺は一生この人

には敵わないなって思った。」

「そっか。」

「その日から稜さんは俺たちの親みたいなもんでさ、

俺にとっては尊敬する人なんだ。」

「素敵な人だもの!気持ちは分からなくはないわ。」

「俺、訳あって親が居ねえんだ。」

ポツリ呟いたユウヤからの衝撃的な発言に

ビックリしてゴチンっと足をぶつけた。

「み、みんなもそうなのか!?」

伊織君は居るにしてもそういえばみんなから

家族の話を聞いたことなんてなかった。

あたしだけ話したことはあったけど、

話を聞いてる間みんなどんな気持ちだったんだろうか?