電話が切れると透真が号泣した。
涙をポロポロ零しながらうぐっと言葉にならない。
「透真、本当にお前はちっとも変わらねえな。」
「真っ!!俺、頑張ったんだぞ。」
「はいはい、だらしないからささっと泣きやめ。」
お前が泣いてどうすんだよ。
「四季・・・・ずっと俺を恨んでるんじゃないかとっ」
「そんなわけないだろ?」
「でもっ!ひーちゃんを任せた俺が・・・」
「ずっと、日和ちゃんを大切にしてたんだから
そんなこと気にしてないと思うぞ?」
意外とハート弱いとこあんだよな。
「それに、四季は儚げに見えてお前より
ずっと強いと思うよ。」
例え、好きな子なために日本離れて
しかも傍まで離れてるんだぜ?
それ以上に、日和ちゃんへの愛情が
ここまで大きいとあの子は気づいちゃいないだろうな。
《四季、お前日和ちゃんをどう思ってんだ?》
まだ、ここにお前が居た時にそんなこと聞いたよな。
《どうって可愛いよ?ほら、ひよこの絵が上手なんだよね。》
いつでも飄々としたアイツの表情がこんなにも簡単に
崩れる日和ちゃんの存在はとことん大きかった。
年の差としては6つも違うはずなのに、
2人を見てるといつも穏やかな気持ちになったものだ。
「打倒、四季!!ひーちゃんへの愛は絶対に俺の方が
上だってことを知らしめてやる!!」
「日和ちゃん、逃げろ・・・・」
それでも、俺は見守る立場でありたい。
きっと、四季が未来永劫日和ちゃんを幸せに
するものだと信じて疑わなかった。
それだから、お前が居なくなって驚いたんだ。
日和ちゃんは今もお前の帰りを待っている。
遅くなってもいいから帰ってきて、
ちゃんと幸せにしてやれよ。
――みんな、お前の帰りを待ってる――