新しいクラスにも慣れて、他校出身の人とも
大分、打ち解けるようになってきた。
でも、まだ小学校からの友達に寄りかかる日々。
そんな時、小学校からの友達から
あたしのいるクラスにすごいイケメンがいると訊いた。
そのイケメンの名前は
“ マキノカナタ ”
って言った。
あたしは正直、気になってその名前を探した。
机に付いてる名前をひとつひとつ見てた。
『マキノカナタ、マキノカナタ、マキノカナタ...』
みつけた。
“マキノカナタ” って読みそうな漢字があった。
そう思った瞬間、同時に顔を上げた。
そこには友達2、3人に囲まれた男子がいた。
確かに、イケメンだった。
色白で鼻が高くて 外国の人の血が通ってるかと思った。
(後々聞いてみたところ、彼は純日本人。)
『草食系男子代表』みたいな顔だった。
これがあたしの思った率直な印象。
でも、いきなりよく知らない同じクラスの女子が
目の前に仁王立ちしたもんだから “マキノカナタ” は
目を大きく見開いて “?” って顔でこっちを見てた。
とっさにあたしの口から出たのは
「あなたが “マキノカナタ” くん?」
そんな一言だった。
彼は頷いた。
これが、あたしと彼方の出逢いだった。