愛しい人が、目の前にいて。 俺はもう、我慢できなかった。 「美桜。」 『顔を上げて』って思いを込めて、少し強めに言ってみる。 美桜は顔を上げてくれた。 やはり美桜は泣いていた。 俺はそんな泣き顔すらも、"愛しい"と思った。