体育館では昨日同様に練習が行われていた。
そーっと中へ入ると、部長がすぐに恭一に気づいた。
「やぁ、また来たんだね。」
「お邪魔します。あの……近藤は?」
「いるよ。ほら、ちょうど始まる。」
言われてステージを見ると幕が上がり始めた。
昨日と同じシーンからのスタートだった。
「こんなにもアナタを……愛しているのに。」
――あ、また……。
恭一は胸が締め付けられる感覚に、ギュッと胸元を掴んだ。
「どうかしたのかい?」
部長に尋ねられ、恭一は手を離した。
「いえ、何でも……」
謝りに来たはずなのに、恭一の胸にはまたモヤモヤとした感情が渦巻いた。
――何なんだよ、一体……。


