『綺麗な青。』
俺は空を見上げて呟いた。
「こーよくん。やっぱ屋上だったんだね。あの事件の後もこよくんずっと屋上にいたもんね。」
美景はいつのまにか俺の後ろにいた。
『......。』
「なんで逃げたの?せっかく久しぶりに会ったのに。私ってそんなにこよくんに嫌われてたっけ。」
'なんで逃げたって?'そんなこと分かってる癖に。
『なんでこっち来た?なんで俺の居場所がわかった?俺はもう'お前ら'とは縁を切ったはずだ。'お前ら'とはもう会いたくなかった。』
「会っていきなりそれかー。何から話せばいい?」
『......。』
「うーん。昨日言ったよね。こよくん連れ戻しに来たって。こよくんがいないと私達どうすればいい?帰って来てよ。時間が掛かってもいいよ。私達待つから。」
一瞬美景の目が潤んだ気がした。
でも...
『俺はもう戻らない。もう昔のことは忘れたいんだ。』
俺はもう自分が分からなくなっていた。
「それじゃあ私達待つよ。こよくんが戻ってくるって言うとまで。」