あの頃のように

「え?」


半分振り返って、大きな目を丸くして。

その次の瞬間、どこか迷うように視線を落とした。

どこか申し訳なさそうな表情。


(……あれ。脈ないかな)

ユカの微妙な態度に、急に不安になる。


(まずったかな)


ユカの気を引こうとしたはいいけれど。

自分に何の実力もないもんだから、有名人や有名会社の名前を出して自慢して。

そんなことで、女の子の心がつかめるわけがない。


自分の愚かさを、不意に悟った。


(アホだな、俺)


うろたえる俺をよそに。

ユカは少し考えると、カバンから小さなメモ帳を取り出して、カバンを下敷きにさらさらと何か書いた。