あの頃のように

「……まったく、沙稀ちゃんには驚かされるよ。

沙稀ちゃんみたいな子が国会議員になるべきだね」


山下さんは力なく笑った。


「沙稀ちゃん。

……前島大臣がもし、わたくしごとより国家を優先するような立派な政治家だったら、自らの私腹を肥やすようなことをすると思う?

今回のNAL事件はどうだった?」

「……」


あたしはもう、何も反論できなかった。


「ねぇ、沙稀ちゃん。

オレたちは大金を失ったけど、別に金を返してほしいわけじゃない。

あいつらに非を認めさせれば、それでいい。

あいつらがあんなことをしておきながら、私腹をさんざん肥やしておきながら、NALを再生させた、なんて偉そうにふんぞり返ってるのが許せないだけなんだ」

「……」