「私はね、相馬くんのことを本当の娘だと思っているんだよ。だから、うちの息子みたいなちゃらんぽらんな奴と結婚してほしくなくてね。


だから、最初に言ったのさ。『決して好きになるな』と」


好きになるなって言ったのは、私のため・・・


「君がうちの息子と結婚したいって言うなら、私は大歓迎だよ」


「会長・・・」


「それに、婚約のことを心配してるみたいだけど、婚約を断られて困るのはあっちの方さ。


息子の縁談が駄目になったぐらいで、傾くような会社じゃないよ」