そう言ったのはずっと黙って話を聞いていた美和子さんだった 「そこにいるのは、あなたが勤めていた会社の社長ではなくて、あなたが愛した男性よ? どうしてそこに『社長だから』とか『会長が』とか、勝手に自分で苦しくなるのよ。 たまたま出会った男女が恋に落ちた。ただそれだけのことじゃない」 その言葉を聞いて、私は胸が痛くなった そっか、ただそれだけのことだったのか 「社長、何があっても私を離さないと誓ってくれますか?」