そんな事を考えてる間に学校に着き、警備員のおっちゃんが閉めかけていた校門をギリギリすり抜けた。



「亜子ちゃーん。今日も遅刻かい?」



「真治おはよう!また寝坊しちゃったー。」



まだ入学して5ヶ月ほどしか経っていないけど、遅刻魔の私は警備員の真治と名前で呼び合うほど仲良くなってしまっている。



「そういえばさっき亜子ちゃんの担任の田口先生が、「神中まだ来てませんか?」って聞きに来たよ。」



「まじ?!絶対、田口怒ってんじゃんー。」



そう言って、私がダルそうな顔をすると



「あ、でも僕が「亜子ちゃんなら、お腹痛いって言いながらトイレ入って行くの見ましたよ。」って言っといた!」



「.............。」



「あ...ごめん、亜子ちゃん。ダメだった?」



ううん...



ダメどころか...



「真治、ナイスすぎるー!!ありがとうー!!!!」



私がそう言うと、真治は私の背中をポンと押して



「早く行っといで!」



と男前に言った。



私は頷き、真治に何回もお礼を言いながら駆け足で校舎に向かった。



これから、あんな事になるとは知りもせずに....。