その出会いは突然だった。
キーンコーンカーンコーン.....
ハッ!!
私は目を覚ました。
「...やっべ!今日も遅刻だ!」
遠くで登校時間終了のチャイムが聞こえる。
昨日も寝坊で遅刻をしていた私は、そんなチャイムの音を聞いてる暇もなく学校へ行く支度をする。
適当に学校指定の制服を着て、転がり落ちるような速さで階段を駆け下り、洗面所で爆発していた髪の毛をアイロンで整え、歯磨きをして家を出た。
家から学校までは徒歩で約15分。
でも私はチャリ通だから5分くらいで学校に着く。
既にチャイムは鳴り終わっているから、どれだけ急いでも遅刻になるけど、一応急いでみる。
そんな遅刻ばっかりの私、神中亜子は15才の高校1年生。
今年の春から男女共学の華園高等学校に通っていて、入学式から寝坊してしまうような相当な遅刻魔。
両親は私が幼い頃、2人いっしょに交通事故で死んだ。
私を庇って....。
だから私は今アパートで1人暮らしをしている。
家賃や生活費は毎月祖父母が振り込んでくれているから心配ないけど、小さい時からよく寝る子だった私は、どうしても朝起きられない。
こんな調子で進級できんのかな...。