【コラボ】忘れられないヒト

それから、ゆっくり彼女は微笑んで、崇文の不安そうな目を優しく見つめる。


「忘れたりなんて、しない。」


嬉しさに、思わず顔を輝かせた。



「でも私、オバサンだから。もうあまり待てないの。」



ぐ・・・と、重い鉛を打ちこまれたように、胸が詰まる。

優しい顔で、言わないでほしい。
少しだけ期待してしまった自分が、悲しかった。

目に見えてしょげた崇文。

佳乃は一歩下がって、改めて見上げた。
熱いキスの感触が、まだ唇を支配している。




「だから、早く頼れる男になってくれると嬉しいのだけれど。」



「それって・・・。」