【コラボ】忘れられないヒト

それを感じて、だんだんと落ち着いてきた思考。
佳乃の香水の香り。


「顔、見られたくないんで、このまま聞いて下さい。」


彼女も緊張してくれるんだと思ったら、嬉しかった。

腕の中の佳乃は何も言わないが、とにかく続けなければ。
小さく深呼吸して、崇文は意を決する。



「俺、やっぱり佳乃さんが好きです。」



もう一度、小さく深呼吸。


「でもまだ、俺じゃ釣り合わないから。」


佳乃の体が、強張ってから、細い肩が震える。