(言わないで・・・。) 目が離せないのに、断る事ばかり考えている佳乃。 (伝えないと。) どんな言葉を伝えて良いか、頭をフル回転させる崇文。 壁に掛ったシンプルな時計の秒針が、うるさい。 (とにかく、俺は・・・。) 「あの、関さん。」 耐えきれなくなった佳乃が口を開いても、それ以上を言わせてもらえない。