男らしくスパッとなんて、諦められない。

たとえ愛想笑いでも、微笑みかけてくれたと言う事は、嫌われてないと思ってもいいのだろうか。

崇文はうつむいた顔を上げて、真っ直ぐ佳乃の元へと歩く。


その様子を、作業中の社員が見ていた。

一回目の打ち合わせの時から、話題になっていたのだ。
崇文が佳乃を、落とせるかどうか。
その様子に気がついて、翼達もそちらを見守る。


(かっこ悪くてもいい。俺は、俺の気持ちを素直に伝えるだけだ!)