28日



あれから高津さんとはたまに話すようになった。


彼女は持ち前の明るさで、誰とでもしゃべり誰とでも盛り上がっていた。

俺も健もその“誰とでも”の一員で、俺らの女子苦手は改善されつつあった。




いろいろと話してわかったことは、彼女は天然で小動物のようで、それでいてしっかり者だということ。



高津さんは佐久間だけでなく、クラスのみんなによく冷やかされるようになった。
それもみんな高津さんはがいじっても大丈夫な人だという安心があるからで、他の女子ではそうはいかないだろう。


高津さんはどんなにバカにされても一切怒らなかった。
それどころか笑って答えるのが上手かった。



そんな彼女の寛大さに俺は惹かれはじめていた。

だが俺は自分の気持ちに素直になれなかった。
だって俺は女子が苦手なはずだから。