『去年、何かあった?』 と聞こうとしたけど、聞けなかった。言葉は喉のすぐそこまで出かかっていたが、彼女の表情がその言葉を胸の奥に押しやったのだった。あんな顔をされたら聞けなくなる。 「あたし…」 高津さんが口を開く。 「あたし、3組すきだよ」 「え?」 「3組すきだよ」 俺はそれ以上何も言えなかった。ただ彼女は『3組がすきだ』それだけを強く主張していた。