俺と高津さんはお互い背を向けて、俺は自分の家に、高津さんは駅のほうへと自転車をこいだ。 行き着く場所は違うけれど、今、同じ4月の涼しいような温かいような風に吹かれていることは同じだった。 それがみょうに心地よくて嬉しかった。