ほぼ無意識に自転車をはしらせていた。彼女のあとを追って。
どんどん大きくなってくる小さな背中。信号のところでようやく追いついた。
追いついたところで我に返る。
追いついてどうする?
何て声をかける?
しどろもどろしていると彼女が俺の存在に気づいた。
「お疲れさま」
さっきとは違い、いつもの太陽のような笑顔で言った彼女に
「おつかれー」
とそっけなく返してしまったことに後悔する。
「それじゃ、あたしこっちだから。じゃあねっ」
「また明日」
今度は精一杯に微笑んでみせた。彼女もそれに答えるように最後にもう一度ニッコリと笑った。

