図書館の机の板を挟んだ向こう側に高津さんがいる。その状況に彼女の存在感に気づいてしまってからはなかなか集中しきれなかった。 それでも高津さんはもくもくとペンをはしらせていた。彼女は身長が低く小柄なため俺から姿は見えないが、板越しに伝わるペン先とノートの摩擦音で彼女の表情がよめた。 そんな“俺”と“彼女”の気持ちの違いが、当たり前のはずなのに妙に寂しかった。