「あっ!どうも」 聞き慣れた声が小声であいさつする。 「高津さん…」 俺もぺこりと首を下げた。 健の方をみると食後で眠くなったのかスースー寝ていた。 俺はほぼ無意識にホッとしてしまった。 おそらく、健に高津さんがいることを知られたくなかった。高津さんに健がいることを知られたくなかったからだとおもう。 俺は図書館で“高津さんと偶然会った”という状況を独り占めしたかったのだ。 しかし、この独占欲がどうしてあらわれたかは俺にはわからなかった。