赤に濡れた 少女はききました どうして私は私なのかと どうして僕は僕なのかと どうして君はそこにいて どうしてそんなにも苦しそうなのかと 涙を流して叫びました その声で異界の住人を 目覚めさせてしまったことにも 気付かずに――― 「…いい歌だネ」 「痛ぅっ…」 いきなりナタリアの美しいブロンドの髪を掴み、後ろに引き倒したのは、とても美しい青年だった。 その青年の亜麻色の髪は肩で切り揃えられ、風にに揺れている。