僕がお嬢様を見違えるわけはない。 先程の執事の腕に抱かれたお嬢様を見た時、全身が粟立った。 僕のお嬢様。 あなたは本当に意地の悪いひとだ。 マオが窓から辺りを見るとリクの姿はなく、狂ったような馬の鳴き声だけが響いていた。