紅い雪が降った夜から


そのまま一言も話さずに、足を進めた。


「えぇっとぉ…何かありましたらぁ、いつでも言ってくださいね〜」


マオの声は戸惑い気味の声色だが、安心しているらしい。

左手を上げて返事をすると、かわいらしい足音をさせながらマオは廊下の角を曲がった。


「あぁ…そういえば」


昨日、ナタリアに頼まれた用事を思い出し、リクは玄関に向かった。