「千秋~!お昼描いてた優希みして~」


彼女は高橋雨美。

王子と双子で

―似てないけど―

私の友達。

多分、王子が兄だな。
雰囲気的に。


「どうぞ~」


雨美は、パラパラと
スケッチブックをめくると
彼を見つけたようだった。


「ふふっ、優希、
こんなにカッコよくないよ―」

そんな感想を述べつつ
彼女はこう言った。


「ね、これコピーしていい?」

―気に入ったのかな…?


私の返事も聞かずに

「職員室いってきまーす」

と、雨美は教室から出ていった。