この西棟の王子様は、

高橋優希といって、

髪がサラサラして

(さわったことないから
事実かどうかわかんないけど)

黒い髪の二年生で
爽やか系のイケメン。


―夏服になったばっかの
王子もカッコいいなぁ…。


「…ねぇ、あれ、
告られてない?」

端の女子が呟く。

「…んなわけ…」

私は

―正確には、この場にいる皆
だから私たちだ――


王子…の隣の女子を見た。

一年生だった。

…号泣していた。

しばらくすると話は
終わったようで女子生徒は
走り去っていった。


そろそろ王子も
帰ってちゃうかな。

―早く描かなきゃ!