はぁ…さっきからうっざいわね…
「あっあたし由利っ!」
「あたしは美咲っ」
さっきからいろんな子が話し掛けてくる…あたしはとびっきりの作り笑いで答える
「よろしくね♪話し掛けてくれてありがとう!…あたし…人見知りで…だからすっごく嬉しい♪」
にこっと微笑めばあたしが騙してるなんて誰も気づかない
「あっ!前田さんっトイレ一緒行かない??」
さっき話し掛けてきたギャルたちが美咲と由利を押し退けてあたしを誘った
はぁ…?トイレ??
何が良くてあんたらと行かなきゃなの?
とは…言わない…今日は気分がいいから馬鹿な女達に付き合ってやろ~かな
「うん♪」
はぁ…やっぱ断ればよかった
さっきからぎゃーぎゃーうるさい…トイレ人多いし…うざ…
「ねぇ~まなはどっち派??」
え?
いきなり話し掛けないでよ…あんたらの話しなんか聞いてなかったっつーの
「ごめんっ何が??」
「もぉ~っB組の佐伯要か高島健!どっち派??」
「あたしは健くん派♪」
「えーっやっぱ要くんっしょ♪」
「あたし2人とも知らないや」
誰?そいつら…興味ない
「え~っまな知らないのぉ!?」
「じゃぁっ後で見に行こ♪」
はぁ…?あたし行かないし
「つか!健くん彼女もちらしいよ」
「え~!萎えるっ!誰それ」
「B組の永瀬砂矢。中等部から付き合ってんだと」
中等部から…まぁただ付き合いたいだけだろ…ちょっとした事ですぐ終わる
「じゃぁ無理じゃん!あ。要くんは!?」
あんたら何か彼女いなくても無理だろうね
「いないらしいけど…噂もあるよ~」
「何かぁーB組で幼なじみらしい…確か…木下夏美…だったかな…」
…っ!!
…なつ…み…
フッ…じゃあ…さっきのが“要”くんかな……面白くなりそう
――ドンッ
「あっごめんなさいっ」
懐かしい声
「いぇ…こちらこそ」
後で…ちゃんと挨拶しに行くからね