ギュッと私の肩を抱いて、首筋に顔を埋めた慎吾くん。



「…俺ひなのニオイ大好き。
ねぇ、なんでこんないいニオイすんの?」



「な なんで…って!
別に何もしてないよぉ?」



最近はようやく化粧をする事を覚えはしたけど、もともとしないタイプだったのだ。

さしあたり仕事に行く時はしてるけど、休みの日なんかはすっぴんのままでいたりする。


だもんで、そんな休みの日である今日なんかは、当然化粧品なんかは一切使ってないのだ!…と、威張って言ってみる。




「違うって。
それはね、ひながひなだからだよ」



「ぁ…っ」



顔を埋められながら私の身体は慎吾くんに押されてしまい、ふわりと背中がソファに沈んだ。



「あはっ
ひなってば、もう照れてるんだ。
かわいーなぁ」



「な…っ」




私を下にした慎吾くんが、上から顔を近付けてはそんな事を言っては私をからかうの。


確かに「もう照れてるんだ」なんて言われるくらい、今まで慎吾くんとの関係は何度もあったんだけど。

でもそういうのって、慣れる事なんかじゃないんだもん。



好きな人に触れてもらうのって、何回目であってもドキドキ嬉しくて恥ずかしいんだからぁ!