「ひなぁ、チーズトーストまだ?」



「うん、もうすぐ焼け…あ、できたよぉ」



ピーっという電子音が鳴ると、私はオーブンレンジのドアを開けてアツアツのハムとチーズを乗せたトーストをお皿に取り出した。




「うん、チーズもよく溶けてる。
お待たせ、慎吾くん」



「わぁ、ヤッタね」



私はリビングのソファで待つ慎吾くんのもとまでトーストを運ぶと、差し出す前に慎吾くんの方から手を伸ばして受け取った。



「あっ、熱いから気を付けて」



「大丈夫だよっ
あ ほら見て。チーズがびろーんって」



「はいはい」



嬉しそうに焼きたてのトーストを半分に割って、溶けたチーズを楽しんでいる慎吾くんに、私はクスッと笑ってしまった。



私よりも、13も年下の慎吾くん。

一見すれば童顔な私と見た目は変わらないけど、そこはやっぱり16歳。

子どもだなぁって見えちゃう時もあるんだぁ。