「…ひな……?」



さすがに今度は大丈夫だなんて言えないようで、慎吾くんも表情を曇らせた。


ある時は、私の事なんて遊びだろうななんて思ってたけど…本当は慎吾くんも慎吾くんなりに、私の事を好きでいたのかもしれない。



もし私に盆子原さんとの事がなかったら…私だって、慎吾くんとの恋愛を続けたいって思うもの。


それくらい、私も慎吾くんの事は好きなんだよ…!




「…ごめん。
ごめんなさい…っ
私…」



上になっている慎吾くんは、もう私を強く抱き留めはしなかった。



ただ、上になっているだけ。



だから私はそんな慎吾くんから、抵抗なく容易に身体をすり抜ける事ができた。


ソファから降りると、乱れた服を戻し、落としたケータイを拾う。



「…あの…っ」



「…………………」



なんて声をかけたらいいのかわからない。

黙って出て行くわけにもいかないよね。


でももう謝る以外には、今は何も思い浮かばないの…っ



「…本当に、ごめんなさいっ
でも…嫌わないでね…っ」



関係を終わらせる事は、しようと思えば強引にできないわけじゃない。


でも次に慎吾くんと会う時、私たちの関係は……っ



「…ひな……」


「…っ」



これ以上は耐えられないと思った私は、ケータイを握りしめると玄関の方へと駆けった。




…たとえ盆子原さんと無事に結ばれたとしても、でも私は慎吾くんを息子として見なくちゃならないんだ。


そんなの…絶対耐えられないよぉ!!