――翌朝


そしていよいよ、慎吾くんとの関係に本当にケジメをつける日。



「じゃっ
出掛けてくるね、お母さん」



私はいつも持って出るバッグは置いて、手ぶらで玄関に向かった。


ケータイを取りに行っておいて、次は鍵だとかお財布なんかを取られちゃったら完全にイタチごっこだもん。


ケータイだけを受け取ったら、もう本当の事だけを言ってすぐに帰るの。


そう、私の年を教えてあげよう。

そうすれば、慎吾くんもドン引きして諦めてくれる…っ




「…ねぇ、雛?
あんた最近、変わってきたね」



「え…?」



…と、玄関まで見送りに出てくれたお母さんが、なぜか私にそんな事を言ってきたのだ。



「変わったって…何が?」



「昔は家から出たりする事も殆どなかったのに。
今は毎日のように出るようになって」



「あ…」



お母さんが言うように、そもそも童顔コンプレックスなのもあって、積極的なアウトドアはないタイプだった私。


だけど慎吾くんの家に行くようになってからは、ずっと午前中から家にいなかったんだもんなぁ。