そんなわけで。


私は3日振り?に、また慎吾くんの家にやってきたわけだ。



「…………………っ」



慎吾くんの家の前で、ジッとドアを睨むようにして立つ。




(今日は、以前のようにご飯を作ってあげる為に来たんじゃないのっ
あくまでも、このお財布を返すだけなんだからぁ!)



腹へったよなんて言われても、私はもうご飯係じゃないんだからねっ


今日はもう、ハッキリ言わなくちゃ。



慎吾くんの家に来るのは、もう今日で最後なんだからって…!




「……」



私はギュッと唇を噛みしめると、ゆっくりと慎吾くんの家のインターフォンを押した。




――ピンポー…



「いらっしゃい、ひなぁ!」



「ひゃあ!」



まだインターフォンから指を離す前だというのに。

間髪入れずに、バンと大きくドアを開けて飛び出してきたのは慎吾くんだった。




「ひなぁ、待ってたよ」



「ゃっ、ちょっとぉ!」



ここがまだ外だという事もお構いなしに、出て来た途端に私の胸に抱き付いてきた慎吾くん。



もぉ!
玄関先でこんな事をしてる所を誰かに見られたら恥ずかしいとか、思わないのっ!?