「お疲れ様でーす。
宜しくお願いしまーす」



15時。

お昼のピークも過ぎて、今度は夕飯のピークに備えるアイドルタイムからお仕事は始まる。



「いらっしゃい、ヒナちゃん。
卵、ボイルだけしといたから後はよろしくね」



「はい、了解です~。
お疲れ様でしたぁ」



朝の9時から勤めてる人と交代で、夜の9時までが私の割り当てられた勤務時間。



外は雨でジメジメしてるけど、ここは地下だからそんな雰囲気は感じない。

さぁ、今日も頑張るぞぉ!!





「おっ、ヒナ坊は元気じゃのう!」



さしあたり冷蔵もののサラダを作り始めた私に、久保店長が顔を覗かせた。



「元気って言うか、普通ですよっ」



「それで普通か。
やっぱ若い者は違うのぉ」



なんて言いながら、店長はチラリと隣で煮物を作っている小山さんを見た。



「まぁ!久保店長ったら!
どうせあたしはババァですよ!!」



「おぅ、ババァは煮物を頑張れ」



…この2人のやりとりは毎日の日課で、言葉だけ聞いたらヒドいようだけど、案外冗談が多い職場なので和むって言ったら和む。


だけど私を引き合いに出しても、お互い虚しいだけの気もしてくるけどなぁ…。