午前中から日差しも強い外を歩き、ようやくうちの近くでもある本屋さんにとたどり着いた。


開いた自動ドアをくぐって店内に入ると、ひんやりエアコンの効いた冷たい空気と「いらっしゃいませー」という従業員の声が気持ちよく感じた。



(えーっと…)



私は別に普段から本を読んだりとか、定期的に買ってる雑誌があるってわけじゃあない。


ファッション雑誌だとか、20代の女性が読むようなものさえも自分とは縁がないと思い、全く触れる事がなかった。


なので、当然ブランドものなんかも興味はない。

でもだからこそ、逆にお金を使う事も少なくて済むんだけどね。



(んー、少女雑誌を読んでもいいけど、途中からじゃ話がわかんないし…)



もともと目的があったわけじゃなく、時間を潰す為に本屋さんに来たわけなのだ。

なので、私はのんびりと店内をうろうろしながら読みたいものを探してみる事にした。







文庫本は立ち読みしたら店員さんに怒られちゃうかな。

だけど、漫画本はさすがにビニール梱包されてるから…………



(…あっ)



つらつらといろんな本の背表紙を見ながら歩き、その突き当たりの角を曲がると、見覚えのある姿を捉え私は立ち止まったの。