慎吾くんは16歳になったばかりの、高校1年生だ。


このまま別れる事なく私の彼氏でいてくれたとしても、例えば結婚できるのは早くてもあと2年後。


2年後となると…

私、31歳って事!?



まさかな30代という3の数字に、背中に変な汗が流れた。



しかも、あくまでも早くて2年後なだけで、慎吾くんが大学や専門学校とかに進学したりすると、更に2年 或いは4年後になっちゃうわけで…っ



「…………………っ」



変な汗は、全身にまで及んできた。


既にこの年で結婚して子どもがいる同級生が何人もいるってのに、私は………っ





「ひなっ
またボーっとしてる!」



「えっ、あ…っ」



考えれば考えるほど深刻な問題のような気がして、何だか今更ソワソワしてきた。



「ひな、もしかして具合悪い?」



「う うぅんっ、大丈夫!だけど…
ちょっと休んでもいいかなぁ」



煮込んでいるグラタンソースの鍋の火を消すと、私は隣の部屋のソファに少しだけ腰を下ろす事にした。