「俺、ひなの事好きだよ」



「………………っ!」



…好き…?

私の事…好きって!?



男の子と付き合った経験がないんだから、当然好きだなんて言われたのも初めてだ。



「ひなは?
ひなは俺の事、好き?」



至近距離で私を覗き込む慎吾くんの顔を見て、ドキンとする。



「わ 私は……っ」



普通の28の女なら、高校生なんて子どもみたいな感覚だと思う。


だけど慎吾くんはまだ10代なのに、自分が童顔なせいか子どもっぽく見えないの。



だから…異性として、見れちゃうかもしれない。



「私も、慎吾くんの事は…」



チャラい高校生男子だと思ってたけど、図々しいって言うより人懐っこいって感じ。


そしてそんな彼の為なら、美味しいものも作ってあげたいし、お腹も満たしてあげたい。


私の事を好きになってくれて、私を欲しいって言ってくれるなら、それなら……っ!




「…好き、かも…っ」



「マジで!?
じゃあ、いいって事?」



そんな嬉しそうな顔して訊かれると、恥ずかしくて困っちゃうよぉ!


だけど内心私も、何だかまんざらじゃない。



だから…コクンと一度だけ、頷いたの。