あなたがいたから

志村家。未来の部屋。


未来の母親が飲み物を運んでくれた後から沈黙が続いていた。


最初は智佳が『未来ちゃんの部屋だ!未来ちゃんの部屋た!』と騒いでいたが、今はカラカラと凍りの音だけが響いていた。



沈黙の中。最初に口を開いたのは希望だった。



「ところで未来が最近変だと聞いたが、どうしたんだ?」


希望の唐突な質問に未来は素っ気なく答える。


「なにもないですけど?」

未来の答えに智佳が反論する。


「そんなわけないよ。だって未来ちゃん。この頃あたしのことやクラスの人達を無視してる。」


興奮している智佳に希望が落ち着かせるために声をかける。


「智佳ちゃん。落ち着いて。」



希望に言われて智佳は大人しくなった。