あなたがいたから

未来はまたかよという顔をしながら、


「そうですね。なるべく頑張ります。
それとあたしの名前は"ﾐﾗｲ"ではなく未来(ﾐｸ)です。
間違えないで下さい。」


「そうか。ワリィな。俺、国語は苦手なんだよ。
まっ!俺は体育教師だから国語能力なんてなくてもどうにかなるしな。」



木下の言葉を聞いて、生徒達は笑い出す。


今度は木下も一緒になって笑っていた。



そこで再び放送が入った。


今回の放送は怒り口調だった。


『1年2組!
早く体育館に来なさい。
木下先生はあとから覚悟して下さいね。』


そこまででﾌﾟﾂｯと放送が切れた。


放送を聞いた木下は再び慌てだした。



「やっべー。また、教頭に怒られる。あの人怒ると怖いんだよな。
……って、そういってる場合じゃない。
よし!お前等、さっさと行くぞ。」


木下の指示通り1年2組の生徒達は動き出した。



だが、生徒達は笑っていた。


そんな中、智佳は未来を見ながら呟いていた。



「あの子。どこかで会ったような…。」