それに気付いた未来は、



「もう、6時だから、学校に行かなきゃ。
それにあたし、新入生代表だから…
それじゃあ、行ってきます。」



未来は急いで玄関に向かった。

そして、玄関から出ていく前にもう一度、


「行ってきます!」


と、言った。



未来の声を聞きながら、真里(ﾏｻﾄ)と真澄が話していた。



「未来も大変よね。
入試で一番の成績だったから、新入生代表に選ばれちゃって。」



未来の通う高校では、高校入試時に一番の成績が良い生徒が新入生代表の挨拶をすることになっていた。


それで、今年の新入生代表は未来が選ばれてしまったのだ。



「そうだな。
…でも、未来も頑張ったからいいんじゃないか。」



「それもそうね。
それに新入生代表なんて、私達も鼻が高いわ。」



そう言いながら、真里と真澄はﾆｺﾆｺと笑っていた。


そんな中、希望(ﾉｿﾞﾑ)は一人浮かない顔をしていた。
そして、


「未来、お前。いつまで独りでいるつもりだよ。」



両親に気付かれないような小さな声で呟いていた。